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SLMの実現に向けたパフォーマンス管理のポイント

ITがビジネスの根幹を担うインフラとなるなか、システムのパフォーマンスをめぐる問題は、ビジネスの成否をも決する重大な課題となっている。そこで注目されるのがパフォーマンス管理の問題だ。本番運用時の監視・情報収集、分析、あるいはシステム構築段階における現実に即した負荷テストを通して、パフォーマンス管理を正しく実践することこそが、サービス品質向上に向けたSLMの実現、ひいては企業のビジネス価値向上にも直結する。

システムのパフォーマンスは
ビジネスの成否を決する重要な要因

今日、ITは社内外の多様なユーザーにサービスを提供しながら、業務の広範な側面を支えており、ビジネスを加速させる不可欠なインフラとなっている。そうした観点からとらえれば、単にシステムが求められる所定の機能がタイムリーに実現されていればそれで良いというものでは決してない。SLM(Service Level Management)の観点に立って、各ビジネスプロセスが十分な性能をもって実現されているかどうかを正確に把握し、継続的な改善を実施する、すなわちパフォーマンス管理の実践を抜きにして、ビジネスに対するITの貢献度のさらなる向上を目指すことはできないのである。

例えば、Webシステム上に展開されているeコマースサイトのようなケースを考えた場合、サービスのレスポンス速度がシステムの良し悪しを決するうえで特に重要な指標となっていることは、“n秒ルール”といった言葉が一般に取り沙汰されていることからも明らかだろう。一般顧客はサイトのレスポンスに対して非常にシビアであり、レスポンスが遅延するようなサイトは顧客を遠ざけ、その結果、企業にしてみれば大切なビジネスチャンスを逸してしまうことにつながる。もちろん、こうしたレスポンスの重要性は企業内システムにおいても同様であり、システムのパフォーマンスが各担当者の業務効率や経営者の意思決定のスピードに甚大な影響をおよぼすことも必至だ。

システム構築から本番稼働に至るフェーズで
パフォーマンスに着目した取り組みが必須

とはいえ、Webを中心とした今日のシステム環境におけるパフォーマンスの問題は、オープンシステム特有のシステム構造の複雑さに起因して、実に様々な要因が複雑に絡み合っており、なかなか一筋縄では対応できないというのが実情だろう。

こうした問題を解消するうえで最も効果的な手段となるのが、システムの稼働に際して、常時、CPUやメモリといったハードウェアリソースをはじめ、OSやネットワーク、サーバー、データベースなどのシステムインフラ、あるいはカスタムアプリケーションやパッケージアプリケーションなどの状況を、パフォーマンスおよびリソースの観点からつぶさに監視し、ボトルネック発生の兆候をいち早く捕捉するとともに、原因を速やかに究明して改善措置を講じることにほかならない。つまり、これら多様な要素に対する統合的かつ連続的なシステム監視、情報収集・ログ機能と、その解析によるパフォーマンス分析機能などを備えたツールを導入することこそが不可欠なのだ。

一方、本番稼働に先立つシステム構築段階において、より正確なパフォーマンスの把握を行っておくことも必須である。事実、テスト環境では問題なく動作したにもかかわらず、いざ本番環境に移行してみるとパフォーマンスやリソース許容量に問題が発生するといった事態は決して珍しくない。こうした問題を解消するには、現実の本番環境におけるトランザクション数を可能な限り正確に見極め、その実態に即した負荷テストを実施することが求められる。したがって、利用する負荷テストツールにも、現実の運用に即した膨大な仮想ユーザーをシミュレートできることが重要な要件となるわけだ。加えて、想定されるユーザーの増加が、稼働中のシステムのパフォーマンスにどのような影響をおよぼすかを正しく予測するためのツールなども登場しており、こうしたツールの利用もパフォーマンス管理のための有効なソリューションとなろう。

このように、本番運用時の監視・情報収集、および分析、あるいはシステム構築段階で現実に即した負荷テストの実施を通して、パフォーマンス管理を正しく実践することこそが、サービス品質向上に向けたSLMの実現、ひいてはITによる企業のビジネス価値向上にも直結しているといえる。

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