連載1 アプリケーション パフォーマンス管理とは

連載1のテーマは「アプリケーション パフォーマンス管理とは」。
当連載では、4回に分けてアプリケーション パフォーマンス管理(以下APM)についてご紹介しています。
顧客満足度の高いアプリケーション サービスを提供するには、企業は、アプリケーションのパフォーマンスを常にモニタリング〜可視化し、アプリケーションの可用性を高いレベルで維持、管理しなければなりません。競合他社に対する競争優位性確保のため、SLA(Service Level Agreement、つまり「サービス品質保証」)を導入しているのであれば尚更です。こうした背景からも、アプリケーションの性能を監視、分析し、常に管理できる状態を保っておくことのビジネス上の重要性は、ますます高まってきています。

連載1.2 迅速な原因特定が問題発生予防とトラブルシューティングのカギ

連載1.1では主にAPMの必要性について説明したが、今回はAPM実践のポイントについて触れていきたいと思う。APMを行う際のポイントはいくつかあるが、その中でも、もっとも重要なのが「パフォーマンスが低下した原因の、迅速な特定」である。

迅速な原因特定が一番の目的

連載1.1でも述べたように、現在ではご存知の通り、企業の基幹システムであってもオープン系のシステムで構築されていることは珍しくない。また、多くのシステムが、利便性を考慮してWebベースで提供されている。こうした、コア業務にかかわるシステムでこそ、そのシステム上で運用されるアプリケーションの管理が必須である。コアなアプリケーションのパフォーマンスが低下した際のビジネスへの深刻なダメージの大きさは明らかである。そして、パフォーマンス低下の原因究明に時間がかかればかかるほど、それだけ損害は拡大してしまうのだ。万一の場合に備えて、迅速に原因を特定できる手段を持っているか否かは、企業戦略としても重要なポイントだろう。

疑うべきはネットワークか?

ここであるひとつの例をご紹介する。身の回りでこのような経験をされたこと、聞いたことはないだろうか。

ある企業において、オフコンからデータを取り込む際、LAN環境では2分で表示される画面が、WAN環境では30分もかかるという問題が発生した。計算上、これを解消して画面表示を速くするためには、各拠点間を増設して1Mbpsの回線で結ぶことが必要だろうという結論が通常なされることが多い。しかし、原因を詳細に分析していったところ、オフコン上のデータをクライアントにインポートするツールに問題があったことが発覚。開発ベンダーにこの問題を指摘し、改良を加えたところ、ネットワークを増設することなくレスポンスを改善することができた。

これは、”まず最初にネットワークが疑われる”典型的な例であるが、このように原因究明を誤ってしまうと、時間やコストを浪費してしまうことになってしまう。だからといって、原因究明をITベンダーに依頼すると時間がかかり、コストも増大する。やはり、原因個所を迅速かつ確実に特定できる手段を自社で準備することがベストと言えるのではないだろうか。

どれだけ簡単に深く潜れるか

こうした原因特定のためのツールは各社から提供されているが、そこで重要なのはどこまでの範囲をカバーできるかという横の広さと、その原因をどのレベルまで追究できるかという”深度”がポイントとなってくる。たとえば、サーバーに問題があったとわかっても、その先の原因がわからないのでは、それは管理しているとは言い難い。原因が把握できないからと言って、原因特定のために、また他の専用の解析ツールを使用するようでは、運用面での負荷が増えてしまい、結局特定までに時間がかかってしまう。

このため、アプリケーションのパフォーマンスを管理するAPMツールには、ひとつのツールで深く原因を追求できる機能が必須である。こうした機能を備えるAPMツールが、コンピュウェアが提供する「Vantageファミリー」だ。

ひとつのウィンドウから原因までドリルダウン

Vantageファミリー」ならば、ひとつのインターフェースからドリルダウンを繰り返すことで原因を即座に特定することができる。たとえば、エンタープライズレベルでのパフォーマンス監視では、パフォーマンスの低下は赤色で表示される。そのため異常個所を容易に把握することができる。そして、その赤色部分をクリックすることで原因特定のためのドリルダウンが可能なのだ。たとえば、ネットワークに原因がある場合では、前述した一連の作業だけで、プロトコルレベルまで原因を特定することができる。

通常、こうした管理ツールの場合、ある程度の動向は掴むことができたとしても、なかなか本当の原因、要因までを把握するのは難しい。しかし「Vantageファミリー」ならば、ひとつの管理コンソール画面から、簡単に情報をドリルダウンして原因を特定することができる。ネットワークやサーバーなど複数の構成要素からなるアプリケーションのパフォーマンス管理では、 「Vantageファミリー」のように効率的な管理を実現できるツールを利用することで、パフォーマンスレベルの維持や運用負荷の軽減が可能となる。

今回は、APMの実現に必要な要素のひとつとして、原因特定ツールの重要性について解説した。次回からは、APMを実践するうえで関連性の高いフレームワーク「ITIL(アイティル)」という指標についてご紹介する。

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