Success Story


エムエルアイ・システムズ株式会社

開発期間3年、1万人月をかけた21年ぶりのメインフレーム全面刷新を、
『Abend-AID』『File-AID』『XPEDITER』『STROBE』を活用することで高品質かつスムーズに実現




  
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経営戦略に応えるスピードと柔軟性を備えた新システムを開発

生命保険業界では、金融自由化によって銀行窓口やインターネットによる保険の販売など業界の垣根を超えた商品販売や販売チャネルの多様化が急速に進んでいます。一方、生命保険各社は株価の低迷などによる厳しい経営環境のなかで、業務プロセスの見直しなど事業費の圧縮と事業の再構築を進めています。

こうしたなかで、三井生命保険は収益力と財務基盤の強化を経営課題として掲げ、リテール分野への集中、販売チャネルの高度化によるサービス品質向上、組織や要員のダウンサイジングによるコスト削減などに取り組んでいます。2001年10月には、保障内容の見直しが柔軟に行える自在性商品『ザ・ベクトル』を発売、変額個人年金保険『M-VA』とともにコア商品として位置づけ、さまざまな機能の追加やセットプランの開発など商品性の向上を進めています。

三井生命では2002年8月、リテール分野に集中した経営戦略に対応し、顧客の要望に応じたサービスの充実を図るため、個人向け保険の契約管理システムを全面刷新しました。3年2ヵ月、1万人月の工数を費やし、173万ステップの大プロジェクトとなった、この「新個人保険システム」は、三井生命の経営戦略に基づいたシステム戦略における、商品開発力、スピード、柔軟性という3つの命題を実現するプロジェクトでもありました。今回の開発にあたっては、コンピュウェアの開発・テスト・問題解析・パフォーマンス管理ツールである『Abend-AID』『File-AID』『XPEDITER』『STROBE』を効果的に活用、迅速かつ高品質のシステム開発を実現しました。

数値目標を設定した開発にはツールの利用が不可欠

 1999年7月、新システムの開発に着手した三井生命は、2000年6月、日本IBMにシステム関連業務を全面アウトソーシングし、2社の合弁会社であるエムエルアイ・システムズ(MLI)を設立、3社共同で開発を進めました。

「新個人保険システム」では、ソフトウェアを制御系層、アプリケーション層、部品層の3つの階層化構造にし、システム環境の変更、組織や販売チャネルの変更、契約事務処理の手順変更、新商品の開発に伴う特約や料率変更などにそれぞれ対応させ、追加開発時に変更箇所やメンテナンスが少なくてすむようにする狙いがありました。これによって、新商品の投入や保険料率改定時における開発の省力化とスピードアップが図れるようにしました。さらに、オンライン処理の中でバッチ的処理を実行できるようにすることも今回の開発目的でした。

今までの三井生命の開発ルールとIBMのルールを融合させて行った今回の開発において、従来との大きな違いは、サービスインに向け、バッチ処理やオンラインレスポンス等の数値目標を、これまで以上にオープンにして開発作業を進めたことと、アプリケーション・プログラムの徹底した品質管理でした。そのあたりの事情をテクニカルグループ主任ITスペシャリスト津田浩二氏は次のように語ります。

「開発初期段階の要件が決まったところで、机上算出によるパフォーマンス予測など、数字上の目標を決め、全体で合意するとともに、本稼働可否判定の基準値としても定義しました。これにより、テスト&チューニングを徹底して繰り返して目標に近づけることが、プロジェクト内での必然作業となりました。そのため、開発の生産性を上げるためのツールはもちろんのこと、パフォーマンス測定や分析のためのツールの使用が不可欠だったわけです」

コンピュウェアのツールを開発標準に組み込んでシステム開発を行う

三井生命には上流工程とテスト工程を特に重視して開発を進めるというシステム構築の伝統があります。そのため、コンピュウェアのツールもかなり以前から導入、全面的に活用してきました。

「『Abend-AID』は1987年、全国オンラインの大規模開発の際、要員のスキルレベルに依存することなく問題判別を可能にするために導入。『File-AID』は1991年、こちらもテストデータの作成、表示機能に関する属人化を解消すべく導入しました。また『XPEDITER』も、1991年から開発局面のデバッグツールとして利用しています。さらに、『STROBE』は1993年の企業保険システム再構築時に導入し、プログラムの品質向上や、コーディングにおける標準化のために強力に推進してきており、いずれもなくてはならないツールとなっています」(テクニカルグループITエンジニア濱口裕也氏)

コンピュウェアのツールは、いずれも10年以上、システム開発で利用しており、それぞれの工程に完全に根付いています。「これほどの大規模な開発では、協力会社も含めた開発者は膨大な数になり、その技術レベルの統一は不可能です。そこで今回、ツールも開発標準のなかに含めてあります。そのなかで、コンピュウェアのツールの利用法もガイド化して、統一的な基準で利用できるようにしています」(テクニカルグループ副主任ITエンジニア吉場正之氏)

「コンピュウェアのツールには開発者も慣れ親しんでおり、機能面でも長年にわたって改善がなされ、必要条件を満たしているため、当社の開発プロセスでは欠かせないものとなっています。特に愛用者が多い『Abend-AID』や『File-AID』に関しては、標準機能と考えている者もいるほどです。また、昨今では、テストデータ項目のマスキングなど、セキュリティ対策としても、『File-AID』は欠かすことができなくなってきています」(津田氏)

テストと追加開発を並行して進め、当初の計画通りに高品質のシステムをカットオーバー

 内部設計と結合テストが終了し、システムテストフェーズに入ろうとしていた2001年10月、三井生命は主力となる新商品『ザ・ベクトル』のサービスを開始。そのため、新システムはそれに対応するため改変しなければならず、追加開発すべきコード量は8万ステップに上りました。これを新システムに急遽実装してテストし、予定通りに稼働させるため、システムテストと追加開発を同時並行で進め、10ヵ月後の2002年8月には当初の計画通りにカットオーバーすることができました。

「開発段階でコンピュウェアのツールを標準ツールとして組み込んでおくことで、本稼働後に障害が起きた場合でも、使い慣れたツールをそのまま活用することができます。それによって、開発フェーズだけでなく、メンテナンスフェーズも併せたシステムのライフサイクル全般にわたる生産性向上に役立ちます」(津田氏)

「メインのデータベースがIMSからDB2に変わり、DB2が今後増えていくわけですが、DB2をよく知っているエンジニアもいれば、そうでない人もいます。そのなかで、プログラムの品質レベルを維持していくためには、技術レベルのバラツキがあっても、正確にテスト検証を行えるツールが必須です」(吉場氏)

こうしたなかで、コンピュウェアに対する期待も大きなものがあります。「ツールとして不可欠な存在だけに、トラブル時などにも、今まで以上に一層迅速に対応してもらえることを期待しています」(濱口氏)

今後も、MLIには開発生産性向上とプログラム品質維持という、一見矛盾するテーマへの継続的取り組みが求められます。そのためには、今回の「新個人保険システム」の構築手法をモデルとして、開発標準を適宜見直していくとともに、テストツールに関してもさらなる活用を行っていくことが重要なポイントとなっていきます。

三井生命の基幹系システムに完全に根付いているコンピュウェアのツールは、これからも同社の開発フェーズから運用管理フェーズまで、スピードとクオリティが求められるシステム環境を支えていきます。

※文中に記載された名称は、各社の商標または登録商標です。

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キーファクト

エムエルアイ・システムズ株式会社

  • 設立:2000年9月
  • 資本金:1億円
  • 従業員数:500名(2002年4月時点)
  • 事業内容:情報システムの企画、設計、開発、保守および運用のコンサルティングならびにこれらの受託、上記に付帯または関連する一切の事業

URL:

http://www.mlisystems.co.jp/

ITの課題

顧客ニーズに柔軟に対応するため、メインフレーム・システムの高品質化と全面的なリニューアル

ソリューション

開発品質の向上と迅速な開発作業を遂行するために、『Abend-AID』『File-AID』『XPEDITER』『STROBE』を活用

 

「バッチ処理だけでなく、オンライン系や短いトランザクションも検証できる機能を充実させてもらえることを期待します」
テクニカルグループ
主任ITスペシャリスト
津田浩二氏

「開発者にとって、コンピュウェアのツールが存在しない開発環境というのはありえないというのが実感です」
テクニカルグループ
副主任ITエンジニア
吉場正之氏

「大規模開発だけでなく、日常のメンテナンスやパフォーマンスチェックなどにもコンピュウェアのツールは欠かせません」
テクニカルグループ 
ITエンジニア
濱口裕也氏