Success Story
カシオ計算機株式会社
企業向けシステム ソリューション製品の 品質向上を『DevPartner Studio』で実現
| ソリューション製品の開発プラットフォームをUNIXからWindowsに移行したのを機にツールを導入。『DevPartner
Studio』を使うことによって、作成したプログラムに、どれだけのボトルネックがあるかを開発者が認識することができるようになり、ソフトウェア品質向上を実現した。 |

広範囲にわたる企業向けシステム ソリューション製品を提供
電波時計やデジタルカメラ、電子辞書、携帯電話などコンシューマ市場で、高いブランド力を持つカシオ計算機。同社は、ハンディターミナルやPOS/レジスターなどのプロダクト事業と事務用計算機や人事給与システムなどのソリューション事業からなるビジネス分野にフォーカスしたシステム事業でも長い歴史と実績を持っている。
ソリューション事業の中で、大企業から中堅企業向けの人事・給与システムである「戦略人事統合システム」は導入企業1,600社でシェアトップだ。また、事務集中センター用の手形・小切手発行システムなど金融機関向けシステムも導入実績は国内第1位、さらに零細企業向け事務処理専用機「楽一」は累計販売台数5万台に上る。その他、調剤薬局、公共土木などの業務ソリューション、プリンタを活用するプリンティングソリューション、中小企業向けERPソリューションなども提供している。
同社がこれらのソリューション製品の開発プラットフォームをUNIXからWindowsに移行したのは1996〜1997年のことだった。UNIXには10年以上の実績があり、テストツールなども自作して、テストや性能測定を行っていた。しかし、移行したばかりのWindowsでは、開発環境も整っておらず、またWindowsに対してのノウハウ・経験不足も重なったことで、システム適応規模の想定を完全に行うことはできなかった。
その結果、製品を市場に投入した後での、当初のシステム想定以上の過負荷による性能の劣化や、システムリソース不足に起因する品質問題が発生。原因分析からプログラムの修正・結果の検証にいたるまで、すべて手作業で行わざるをえなかった。

『DevPartner Studio』の利用が定着、 ミドルウェアのパフォーマンス向上に大きな貢献
そこでツールの導入を決定、調査した結果、最終的に『DevPartner
Studio』の前身であるエラー検出ツール「BoundsChecker」を選定し使い始めた。2000年の導入当初は、検証・テスト工程で出荷直前でのメモリエラーの検出を基本に、トラブルシューティングにも使ってきた。
現在まで、ほぼ4年間使ってきているが、メモリリーク、リソースリークの防止には非常に効果的だ。導入以前、開発者の品質向上に対する意識の低さやスキル不足がソフトウェアに現れていた。しかし、『DevPartner
Studio』を使うことによって、作成したプログラムに、どれだけボトルネックがあるかを開発者が認識することができるようになった。その意味で、『DevPartner
Studio』導入は開発品質を高める必要があるという意識付けの面からも、極めて効果があった。
『DevPartner Studio』の利用が定着した結果、メモリやリソース問題がないことで信頼性が高まった。そこで、最近ではパフォーマンス分析機能の利用という方向に比重が移ってきている。とりわけ、パフォーマンスで問題になっていたミドルウェアがあった。ミドルウェアは、顧客企業に納入したアプリケーションを使ってテストを行うことができない。例えば、数量×単価=金額の計算を行う時に、数量、単価のいずれかが変われば、計算し直す必要がある。これは再計算処理と呼ばれ、ミドルウェアとして、各システムで必ず利用されている。この処理では、今まで、レコード数の二乗に比例して性能が劣化していた。そこでは、コードを見る限り、性能向上は限界で、処理に時間がかかるのは仕方がないと考えられていた。
2003年、.NET Frameworkへの対応を決めた同社では、クラスデザインをリファクタリングし、すべてを見直した。その一環として、再計算処理を『DevPartner
Studio』のパフォーマンス分析機能を使って測定してみると、予想もしなかった部分で時間が掛かっていることが判明した。そこで、その部分を改善することで、最大7倍の性能向上を実現することができた(図1)。ミドルウェアのこうした性能向上は、アプリケーション全体でのパフォーマンス向上に直結するので、その効果は極めて大きなものであった。

開発工程の中に標準化し、『DevPartner Studio』の機能をフルに使う
ソフトウェア開発では、機能や性能など要件に対する作り込みに意識が集中しがちになるが、同社は今品質の作り込みがより一層重要になると考えている。そして、ISO9001に則った品質改善工程の中で、いかに効率的に開発品質の向上を実現できるかが大きな課題になっている。そのために、『DevPartner
Studio』のほぼすべての機能を開発工程に組み込んで、ソフトウェアの品質を向上させるために活用していく方針だ(図2)。 中でも、特に期待しているのがカバレッジ分析だ。ソフトウェアの開発が完了し、開発部門から品質保証部門に引き継ぐ際の引き継ぎ資料に、メモリ分析、パフォーマンス分析そしてカバレッジ分析の結果を必須情報として入れ、開発・テスト工程で行ったテストの内容を具体的な数値で証明する。これによって、製品リリースにおける改善指針を明確にし、企画・開発・市場サポートのプロセスを回して、ライフサイクル全体での品質向上を図っていく。
カシオ計算機では現在、.NET Frameworkへの対応を推進中であり、2005年度上期より順次リリースする予定だ。その開発プロセスに対応する形で、現在、『DevPartner
StudioProfessional Edition 7.1』を使い始めており、その効果を見ながら、開発手順の中に手順化して組み込んでいく考えだ。
多機能な『DevPartner Studio』を標準ツールとすることで、製品リリースの開発ライフサイクルを通した品質の向上をめざす。


※文中に記載された名称は、各社の商標または登録商標です。
全文をPDFでダウンロードする
|
キーファクト
カシオ計算機株式会社
- 設立:1957年6月
- 従業員数:3,293名(単体)、11,637名(連結)
- 事業概要:電卓・デジタルカメラ・電子文具等コンシューマ製品、時計、携帯電話・ポケットコンピュータ等MNS製品、電子レジスター・POS・オフィスコンピュータ、ページプリンタ等情報機器、液晶表示デバイス等の製造
URL:
http://www.casio.co.jp/
インダストリー:
製造業
チャレンジ:
プラットフォームをUNIXからWindowsへと移行した後、ソフトウェアの品質をチェックするツールがなく、出荷後、アプリケーションの性能・品質問題が発生。手作業での分析ではなく、メモリリークやリソースリークをチェックするツールの利用が不可欠だった。
コンピュウェアからの解答:
『DevPartner Studio』を利用することで、メモリリークやリソースリークは解消。ツールとしての利用が定着したことから、カバレッジ分析を中心に、『DevPartner
Studio』の各機能の利用を標準としてもらう。
コンピュウエア ソリューション:
|
|
 |
「市場に製品が出た後のフォローも最終的には、開発部門が行うことになるので、『DevPartner Studio』を使うことによって、ソフトウェアの品質を上げておくことは大変重要です」
八王子技術センター 開発本部
システム ソリューション統轄部
第一開発部 企画室 室長
安藤 庸剛 氏
|
 |
「ミドルウェアをずっと担当していることもあり、性能へのこだわりは強いものがあります。
『DevPartner Studio』はコードを変えると、その効果がすぐに分かるので、大変有効に使えます 」
八王子技術センター 開発本部
システム ソリューション統轄部
チーフエンジニア
溝口 岳彦 氏
|
|
|